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山本章嗣教授らの共同研究が『Nature』に論文掲載

 オートファジーを行うオートファゴソームが細胞内のどこで形成されるかを明らかにした研究論文が英国科学雑誌「Nature」(3/3付)にonline掲載されました。
 この論文は、大阪大学医学部・吉森保教授を中心とする合同チームによるもので、オートファゴソームが小胞体・ミトコンドリア接触サイトで造られていることをレーザー顕微鏡や電子顕微鏡、遺伝子工学技術などを駆使して明らかにしています。
 本学アニマルバイオサイエンス学科、山本章嗣教授は、主に免疫電子顕微鏡的解析を分担しています。オートファジーは、細胞内分解系の1つで、飢餓時の栄養調達、異常タンパク質や病原菌の分解、免疫機能の調節など生命の維持において重要な様々な機能を果たしています。オートファゴソームが細胞内のどこで形成されるかについては、長らく論争が続いていました。その形成部位が明らかになったことで、オートファジーの分子機構とその調節機構の研究がさらに進み、医療への応用が加速されると期待されます。小胞体・ミトコンドリア接触サイトは、脂質輸送や信号伝達に重要なことが最近に明らかになっており、今後、接触サイトの研究の重要性が高まると考えられます。

Autophagosomes form at ER-mitochondria contact sites. Hamasaki M, Furuta N, Matsuda A, Nezu A, Yamamoto A, Fujita N, Oomori H, Noda,T, Haraguchi T, Hiraoka Y, Amano A & Yoshimori T.
Nature (2013) doi:10.1038/nature11910  Published online  03 March 2013

http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11910.html