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第86回長浜バイオ大学バイオセミナー

〜iPS細胞を山中先生と共に開発された高橋先生のセミナー〜

日 時:2013年3月26日(火)15時〜16時30分

場 所:命江館3F 中講義室1

テーマ:分化多能性獲得までの道のり

講 師:京都大学iPS細胞研究所 高橋 和利 講師

【講演内容】

 「リプログラミング」とは本来細胞が持つエピジェネティックな特性を消去することを示すが、近年では「細胞の運命転換」を示すより漠然とした言葉となってきている。既知因子によってリプログラミングが引き起こせるようになると、次は自由自在に細胞の運命を操ってみたくなる。そのためには個々の役者がどういう役割を果たし、何が起こっているのかを詳しく知る必要がある。
 
本発表では、体細胞がリプログラミングを受け分化多能性細胞へと変化する過程で、いったいどのようなことが起こっているのかについて最近得た知見を交えて紹介する。

【講師紹介】

 高橋先生は、2012年度のノーベル生理学・医学賞を受賞したマウスとヒトのiPS細胞を世界で初めて樹立した新進気鋭の若手研究者です。先生は、その独創的な研究業績を称えられて、幹細胞研究で優れた業績を上げた若手研究者に贈られる「ニューヨーク幹細胞基金・ロバートソン賞」を日本人で初めて受賞されました。

参考論文:
Takahashi, K., Ynamanaka, S. (2006) Cell, 126, 663-76.
Takahashi, K., et al. (2007) Cell, 131, 861-72.