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【活動報告】田村山の未来へつなぐ!ヤマトサンショウウオの幼生約380匹を新保護池へ移動しました

2026年5月17日(日)、長浜市田村山において、絶滅が危惧されるヤマトサンショウウオの保護活動が行われました。

今回は、地域の未来を担う子どもたちや大学関係者など、計50名弱が参加。旧保護池や周辺の水路(側溝)に残っていた、約380匹の幼生を見つけ出し、山のすぐそばに新設された「新保護池」へと無事に移動させることができました。

ひとつの卵塊(卵のあつまり)には50個以上の卵が入っているため、およそ10個近くの卵塊から孵化した幼生たちを救済した計算になります。

網を手に夢中!水路に隠れた命を救う子どもたち

活動の舞台となったのは、田村山のふもとにある古い水路や側溝です。参加した子どもたちは網を手に、泥や落ち葉のすき間に隠れている幼生を熱心に探しました。

「あ、いた!」「こっちには大きいのがいるよ!」

当初の予想を上回る数の幼生が次々と見つかり、バケツの中はまたたく間に賑やかに。熱中して作業に取り組む子どもたちの笑顔が印象的な、活気あふれる活動となりました。

なぜ「毎年の移動」が必要なのか?

背景とこれまでの歩み

ヤマトサンショウウオは、産卵期になると山を降りて水辺に卵を産む習性があります。しかし、田村山の「旧保護池」は、親個体が山から移動する際に道路を横断しなければならず、交通事故などの危険と隣り合わせでした。

この課題を解決するため、「田村山ネットワーク(会長:長浜バイオ大学 齊藤修客員教授)」は2024年にクラウドファンディングを活用し、山のすぐそばに安全な「新保護池」を整備。翌2025年からは、旧池周辺に産み付けられた卵や幼生を新池へと移動させる取り組みを続けています。今年(2026年)の4月3日にも、39個の卵塊(約3,000匹相当)を移動させたばかりです。

「完全移植」までは地道な5年計画

なぜ、毎年このように手作業で移動させなければならないのでしょうか。 それは、サンショウウオに「自分が生まれた場所に戻って産卵する」という強い習性があるからです。

い新池で育った幼生が大人になり、再び繁殖のために戻ってきはじめるには約2年かかります。つまり、新池生まれの世代が主役になるまでは、人間の手で命を移し続けなければなりません。旧池での産卵がなくなり、すべてのサンショウウオが自発的に新池へ集まる「完全移植」には、およそ5年が必要とされています。

齊藤修客員教授(長浜バイオ大学)のお話

活動を率いる齊藤教授は、これまでの成果とこれからの展望について、参加者に向け次のように感謝と期待を語りました。

(道路の隙間などに)まだ親個体が産卵にやってくる状況ではありますが、活動を始めた頃に比べるとその数はだいぶ減ってきました。何より、これだけの幼生を救い出せて本当に良かったです。

幼生たちはこれから新しい池の中で育っていきます。彼らは大人になると、もう一度自分が生まれた場所に戻ってきます。これまでの研究データでは、2年目から繁殖のために戻ってくることが分かっています。つまり、今年で活動2年目ですから、早ければ来年には、新池で育った個体がここへ戻り始めるのではないかと期待しています。

一気にすべてを移すことは難しいですが、地道に毎年続けていけば、経験上5年を過ぎる頃にはほぼ全ての個体がこの新池で産卵してくれるようになります。まだ向こう(旧池側)に産卵しに来てしまう『困ったお父さん・お母さん』も残っていますので、もう少しこの活動を続ける必要があります。来年、池がどうなっているか、ぜひまた様子を見に、お話を聞きに来ていただけたらありがたいです。

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