×

人類的課題に挑む最先端の研究:向井秀仁先生

新しく発見された生理活性ペプチドが
未来の医療の光明に

バイオサイエンス学科
向井 秀仁 先生

血圧や血糖、食欲や感情に至るまで、あらゆる生命現象にはからだの組織や細胞間で互いに多くの情報のやりとりが不可欠です。その"情報の運び屋"こそが生理活性ペプチドで、代表的なものに糖尿病の薬として知られるインスリンやグルカゴン様ペプチド-1、前立腺がんに対する制がん剤である黄体形成ホルモン放出ホルモン関連ペプチドなど、創薬やサプリメントの材料として大いに注目されています。

向井先生の研究室では、白血球の一種である好中球を活性化する50種類以上の新しい生理活性ペプチドを発見し、これらのペプチドを総称して「クリプタイド」と命名しました。さらにそのメカニズムを解明することで、異なる多くのクリプタイドが連携し、1つの細胞をコントロールしていることが明らかになりました。

今後、クリプタイドの情報伝達機構や生理機能の解明が進めば、糖尿病やリウマチ、心筋梗塞などの病気を治す新薬や、原因不明の病気に対する画期的な治療法の開発につながると期待されています。

向井 秀仁 先生