透過型電子顕微鏡により異種オルガネラ間50ナノメートルの極狭立体構造を解明~胎盤細胞を用いた新規の微細構造解明から、赤ちゃんの安全な出産への貢献に期待~
メディカルバイオサイエンス学科の奈良篤樹准教授と井上陽実は、日本電子の青山氏と旭川医科大学の矢澤講師との共同研究において、胎盤細胞のエンドソームとミトコンドリアとの間に形成される50ナノメートルの立体構造を明らかにすることに成功しました。
本研究の成果は、本学設置の透過型電子顕微鏡を用いたナノレベルでの立体構造を明らかにし、その構造特性を詳細に示すことができました。今後、オルガネラ間極狭構造の生理学的機能の理解を深め、母体と胎児の安全性や出産の機構解明に貢献することが期待されます。
今回の研究では、日本電子製透過型電子顕微鏡JEM-2100Plusを用い、高い分解能でオルガネラ膜構造像を明らかにしました。オルガネラ間にはテザーと呼ばれる細い管で支えられていることも可視化することに成功しました。また、この構造は、エンドソーム膜タンパク質MLN64を減少させることで失われることも示しました。
本研究は、科学雑誌「Experimental Cell Research」(5月26日付)にオンライン掲載されました。タイトル:The ultrastructural function of MLN64 in the late endosome-mitochondria membrane contact sites in placental cells.