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[2015年1月8日 読売新聞] 産学連携 長浜で新酒 バイオ大や老舗酒造

2015年1月8日 読売新聞
産学連携 長浜で新酒 バイオ大や老舗酒造 「黒壁」が発売へ 純米吟醸 辛口

 長浜市の活性化につなげようと、市内の酒造と米生産販売業、大学による産学連携で仕込んだ日本酒「純米吟醸 長濱 しぼりたて新酒」が、10日から同市元浜町の観光施設「黒壁AMISU」で限定1000本が販売される。

 長浜の観光名所・黒壁スクエアを運営する第三セクター「黒壁」が企画。創業480年の酒蔵「冨田酒造」、市内で米作りをしている「百匠屋」、蔵付き酵母の研究を進める長浜バイオ大が提携し、2014年4月に「長浜人の地の酒プロジェクト」を発足した。
 総勢100人が参加し、百匠屋の水田6000平方メートルで、県で交配された酒米「吟吹雪」を栽培し、約2520キロを収穫。冨田酒造は、精米歩合60%の米と米こうじ、水のみを原料とした昔ながらの純米吟醸に仕上げた。
 第1弾となる今回は、酵母の発酵を止める火入れをしない新酒の生酒で提供。ラベルは薄い青を配し、「黒壁」にふさわしいレトロ調にした。ほのかな吟醸香が楽しめる辛口で、アルコール度数も17度と少し高め。醸造を担当した冨田泰伸さん(40)は「軟らかい酒米で蒸し方に気を使ったが、いい酒に育ってくれた」と太鼓判を押す。
 バイオ大は主に学生が蔵付き酵母の菌株を選別する研究を行い、プロモーションビデオを制作。来月に黒壁スクエアで開かれる新酒を味わう会で上映する。
 720ミリリットル瓶入りで1650円(税別)。今後、火入れをした第2、3弾も販売される。問い合わせは黒壁(0749-65-2330)。