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第158回バイオセミナーのご案内

第158回バイオセミナーは、京都大学大学院理学研究科生物科学専攻・助教、科学技術振興機構(JST)さきがけ・研究員で、分子生物学・植物生理学の分野がご専門の、鈴木友美先生にご講演いただきます。

先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2018年 10月23日(火)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F 中講義室5

演 者 鈴木 友美先生(京都大学大学院理学研究科生物科学専攻・助教、科学技術振興機構(JST)さきがけ・研究員)

演 題 「植物光受容体による運動制御:メカニズム解明と光操作技術への応用」

要 旨

「光」は、植物にとってエネルギー源であるだけでなく、植物の形や色を調節する「シグナル」でもある。この光シグナルはその色(波長)によって異なる受容体が感知する。フォトトロピンは青色光を感知し「植物の運動」を制御する受容体である。---植物が運動するのか?---確かに動物のように移動することは出来なくとも、根を張った植物でも運動することは可能である。弱光に対してはより多くのエネルギーを求めるため、強光に対しては光障害を避けるために、組織・細胞・オルガネラを動かす。フォトトロピンが制御する「植物の運動」について、その分子メカニズムを紹介するとともに植物の光応答と光受容体の概要について説明する。また「光」は、生きたままの生物に、可逆的に、そして瞬時に作用できる特性を持つ。この特性を利用することで、生命機能を細胞レベルで理解するための技術オプトジェネティクスが発展してきている。神経科学におけるチャネルロドプシンの利用が代表例ではあるが、植物光受容体を利用した報告例も近年増加してきている。今回はフォトトロピンを利用した報告例を中心にいくつか紹介する。