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[2014年7月13日 近江毎夕新聞] 脳症の原因遺伝子新たに発見 長浜バイオ大が共同研究で成果

 長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科の白井剛教授、土方敦司特任講師らのグループが加わる共同研究でこのほど、発達遅滞、小頭症などを伴う遺伝性脳症「アイカルディ・グチエール症候群」の新たな原因遺伝子が突き止められた。
 
同症候群の原因遺伝子は過去に六つが突き止められていたが、共同研究では新たにIFIH1遺伝子の変異が発症原因の一つと証明された。白井教授らのグルー
プは、IFIH1遺伝子の産物とRNAの複合体立体構造のコンピュータモデリングを活用し、発見された病因変異が細胞や遺伝子に与える影響を解析してい
た。
 IFIH1遺伝子の変異はこれまでに、全身の臓器に炎症が起きる自己免疫疾患の一つ、全身性エリテマトーデスとの関連が指摘されており、今回の研究成果が自己免疫疾患の病態解明や治療薬の開発につながる可能性もあるとしている。
 
共同研究は京都大学、理化学研究所、かずさDNA研究所、長浜バイオ大学が参加した。京都大学では、平家俊男・医学研究科教授、西小森隆太・同准教授を中
心とする共同研究チームが参加した。これまで発見されている原因遺伝子に変異がない三人のアイカルディ・グチエール症候群患者で、ゲノムの配列解析の新手
法「エクソーム解析」を行い、三人全員にIFIH1遺伝子の変異を確認したという。
 研究成果は国際学術雑誌「Cell」の姉妹誌『アメリカン・ジャーナル オブ ヒューマン ジェネディクス』電子版で公開された。