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河内研究室が養殖ビワマスの給餌試験を開始

養殖ビワマスの脂の乗りを良くする研究を進めてきた、本学アニマルバイオサイエンス学科・河内浩行准教授の研究室が開発した飼料の給餌試験を、3月22日に(株)びわ鮎センターで開始しました。ビワマスが成魚になるまでには通常1年間かかりますが、この飼料を使った実験では餌への食いつきが良く体重の増加も大きいことから、90~100日程度で養殖池から上げ、食味試験をする予定にしています。

琵琶湖の固有種・ビワマスは、脂が乗り美味しいことで知られていますが、天然ビワマスは激減、養殖ビワマスは天然物に比べて脂の乗りが劣るのが課題でした。PPARγ とよばれるリガンド依存性の核内転写因子を活性化することで脂肪細胞を増やすことができますが、河内研究室では、餌として活用するために天然由来でかつ安価な素材からPPARγの活性化因子を探索、滋賀県内の事業所から出る醤油油やビール粕などが高い活性を示しました。

この日は、この研究成果で作成したペレットを共通機器として購入したペレット作成機を用いて作り、それぞれの池に給餌、今後は1ヵ月ごとにHPLCでアミノ酸などの旨味成分を測定するとともに、CTで脂肪の含有量を調べる予定です。この日の給餌試験に参加したのは、河内先生と青田昇大さん(大学院博士課程前期課程1年)、林知輝さん(アニマルバイオサイエンス学科4年次生)、船見和生さん(同3年次生)、それに協力いただいているびわ鮎センターの川瀬利弥さんの5人です。「河内研究室に配属されて2年間研究に携わってきただけに、やっとここまで来たかという思いで感無量です。今日をスタートラインに、養殖ビワマスの発展に貢献していきたいと思います。」と青田さんは語っています。