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第138回バイオセミナーのご案内(11/22)

第138回バイオセミナーは、 NMR分析のスペシャリストでおられる、産業技術総合研究所の根本直先生にご講演いただきます。
他の研究機関の先生の研究内容を直接聞ける貴重な機会ですので、先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2016年11月22日(火)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F・中講義室5

演 者 根本 直先生(産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門生物時計研究グループ)

演 題 混合物の直接解析:NMRの計測的利用による簡便・強力・楽しい知識発見法

NMRは構造や相互作用・分子の動態の解析に強力な分光法であり、また核スピンという現実の世界とほとんど相互作用しないがゆえの良い再現性を備えています。そのため定量性にも優れ「モル濃度が直接見える唯一の分光計」とも言えます。
その一方で、何やら威圧感のある超電導磁石、電磁波と磁場勾配パルスの様々な組み合わせ、数段の電算機処理を行って得るスペクトル、どの信号の帰属や線形の解析…、様々な情報を「狙って取る」珍しい分光計で、用語も解析もなんだか難しく感じて、ハードルが高い印象を持っているかもしれません。
しかしながら最近のNMR装置は高度に自動化が進み、デジタル処理となっているので、割合と簡単に測定が可能です。その様な最近の装置で混合物をほとんど分離精製なしに測って多変量解析すると、研究者が漠然と「何かが起こっている」と感じる生命現象を可視化して探索解析を行うことが出来ます。その技術、NMR-メタボリック・プロファイリングは240次元空間を起点に「データ分布の構造」の探索から仮説を発見し、変化を追跡し、実験を精密化する方法です。その過程には試料に対する知識豊富な関連研究者との討論がとても重要です。NMR利用のハードルを下げ、混沌の中から知識を発見していくメタボリック・プロファイリングの原理と応用を平易にお話致します。
討論ツールでもありますので分野の異なる方々の聴講を歓迎いたします。