×

6つの実験・実習プログラムの魅力をご紹介

8月7日(日)、20日(土)に開催する“オープンキャンパス2016(バイオ実験・実習編)”の実験と実習の内容を紹介します。このオープンキャンパスで、大学での実験・実習を、ぜひ体験してみてください。

①遺伝子組換え大腸菌を判定してみよう~DNA抽出とアガロースゲル電気泳動

_WTB7372DNAは生物の設計図である遺伝子の本体です。あらゆる生物のすべての細胞に含まれており、その生物の性質を決定します。そのため、DNAを調べることにより、その生物の性質を明らかにすることができると言えます。ある生物が本来持っていないDNAを人為的に導入された生物が遺伝子組換え生物です。除草剤耐性ナタネや青いバラなどが有名です。近年の遺伝子工学(バイオテクノロジー)はDNA操作技術に大きく依存しています。この遺伝子工学の基礎である大腸菌からのDNAの抽出とアガロースゲル電気泳動を行うことで遺伝子組換え大腸菌を判定してみませんか?

この実験では、大腸菌が本来持っていない、プラスミドと呼ばれるDNA分子を持つ遺伝子組換え大腸菌と、プラスミドを持たない大腸菌からDNAを抽出し、アガロースゲル電気泳動により、プラスミドの有無を確認してもらいます。プラスミドの有無を確認することで遺伝子組換え大腸菌か否かを判別することができます。大腸菌からのDNA抽出やアガロース電気泳動は、遺伝子工学でもっともよく利用される基礎技術です。遺伝子工学の一端をぜひ体験して下さい。電気泳動の結果は、写真に撮って記念に持って帰れます!

②果物に含まれている酵素を分析してみよう〜果汁ゼリーの科学

_WTB7335酵素はあらゆる生物のどんな細胞にも必ず存在していて、生命を維持するために最も重要な働きをしている分子の一つです。われわれヒトや動物の体の中だけでなく、野菜や果物などの植物にも含まれています。そしてこの酵素はわれわれの生活を豊かにするためにも役立てられているのです。発酵で味噌や醤油などの調味料を生産したり、お酒を製造したり、洗剤の中に混ぜて洗浄効果を高めたり、飲み薬の中にも酵素が含まれているものもあります。果汁が肉を柔らかくしたり、パンをふっくらさせるのも酵素の力を利用しているのです。

みなさんは果汁ゼリーを作る時にある種の果物の果汁を入れると固まらなくなる事があるのを知っていますか? ゼリーとはゼラチンのタンパク質が冷えて固まったものですが、ある種の果汁に含まれる酵素がこのタンパク質を分解して固まらなくなるのです。

この実験では研究の現場で良く用いられているポリアクリルアミドゲル電気泳動という実験を通して、この果汁に含まれている酵素がゼラチンのタンパク質を分解する過程を分析してもらいます。最新の分析機器で食品中の酵素の分析を体験する事で、あなたも製薬会社や食品メーカーの研究者になった気分が味わえます。ぜひ体験してみてください。

③がん細胞を見てみよう

_WTB7435私たちの体は細胞で出来ています。がんは、体を形成する無数の細胞のうちの、たった一つの細胞が突然無限に増えることで始まります。それが「がん細胞」です。がん細胞は、このように病気を引き起こす恐ろしい細胞です。
でもその細胞は体から外に取り出してシャーレの中で増やすことが出来ます。こうして培養されたがん細胞はとてもいろいろなことを私たちに教えてくれます。私達は、がん細胞を観察したり研究することで、どうして私たちの体を形成する細胞が増えたり死んだりするのかを研究してがん治療や予防に役立てようとしています。それだけではありません。どのようにしていろいろな異なる細胞が外から栄養を取り入れてエネルギーを生み出して、それぞれの役割を果たすのかも研究しています。

今回はみなさんに顕微鏡で私たちが日ごろ研究に用いている「がん細胞」を見てもらい、「基礎的な細胞取り扱い」や「細胞の中で起きている不思議な世界」に触れてもらいます

④光る生物を見てみよう~バイオ研究に利用される発光と蛍光

_WTB7349みなさんは「光る生物」っていうと何を思い浮かべるでしょうか。まず代表的なのはホタル?・・闇に光りながら飛ぶ様子は幻想的ですよね。今日はホタルの発光をまねして、試験管の中で種類の異なる溶液をまぜ、暗闇で様々な色に発光するケミカルライトを作ってみましょう。
ところで海にもホタルがいるのをご存じでしょうか?ウミホタルと呼ばれる生物は数ミリ程度の大きさで、昼間は海底の砂に隠れていますが、夕暮れから夜の浜辺で採集することができます。このウミホタル、敵に襲われたときに逃げるための目くらましとして発光すると言われています。みなさんに実物をお配りしますので、顕微鏡で光る様子を観察してみて下さい。

バイオの技術を使うと、植物を光らせることだってできるんです!ノーベル賞で有名になった緑色蛍光タンパク質はオワンクラゲの研究から発見されたものですが、今回はこのタンパク質を遺伝子組換えでタバコの木に作らせてみました。植物が緑色に光る様子を見てみましょう。このような発光や蛍光はバイオ研究のいろいろな場面で利用されています。今回の実験や観察を通して、その一端を感じとっていただければ嬉しく思います。

⑤琵琶湖岸の水生動物の世界を水中カメラで覗いてみよう

図1長浜バイオ大学は、日本一大きな湖の琵琶湖の本当にすぐ近くにあります。特に水が綺麗な北琵琶湖が歩いて2、3分のところにあり、キャンパスからは広大な景色が広がります。周りは豊かな自然に恵まれ、小川にはメダカやタナゴが泳ぎ、春には小鮎やヨシノボリが上ってきます。ごく近くでナマズの産卵、夕暮れに舞う蛍、里山に希少種カスミサンショウウオを見ることが出来ます。このような自然環境で、私たちアニマルバイオサイエンス学科では、自然観察や調査に始まり、たくさんの実験・実習(生物多様性、実験動物学、食品科学など)を行っています。

今回のオープンキャンパスでは、野外に出て絶滅危惧種もいる琵琶湖岸の様子を水中カメラで覗いてみます。そして、実際に水生動物の採集を体験してもらいます。どんな水生動物が採集出来るでしょうか?希少動物が見つかるかもしれません。観察結果は、写真にしてプレゼントします。雨天の場合には室内での水生生物の観察プログラムを用意しています。

⑥人工知能を育ててみよう~人工知能とロボットが溢れかえる20年後の電脳世界に備える

図2私たちの身の回りには、少しずつ人工知能が実際の世界に浸透してきています。東京オリンピックの開催までには、人工知能を搭載した自動運転の車が走り回ることが予想されています。また、チェスや碁などのゲーム分野だけでなく、医療の画像診断や株価予測など、様々な分野において人間を遥かに凌駕する性能を示しています。
人間の場合には、エキスパートは経験を糧として時間をかけて成長していきますが、個人的な体験であるため、技能を効率よく伝承することは容易ではありません。人間が一生にうちに経験できる事例の数には限界がありますが、人工知能の場合は、蓄積された膨大な数の事例を瞬時にデータ化し、そのビッグデータの中に潜む様々な規則性を自動抽出し、獲得した知識をネットワーク上の全てのコンピュータにとっての共通知識として瞬く間に拡散します。この異様なほどの進化速度は脅威にすら感じられますが、その仕組みは驚くほどシンプルで単純明快です。

この実習では、簡単なゲームをプログラムし、自分で作成したゲームと対戦していくうちに、急速に自分より賢くなっていく様子を体験してもらいます。また、人工知能が搭載されたロボットは、介護や危険な地域でのサービスに従事し、人間社会の質の向上に大きく貢献することが期待されていますが、このロボットの制御プログラミングの基礎についても体験してもらいます。本実験は、プログラミングの未経験者にも対応できるように、小学校低学年でも学習可能なレゴ社の最新のロボット教材を使います。是非この実習に参加して、人工知能とロボットの未来世界について、様々な視点から冷静かつ的確に判断できる能力を養ってください。

 

実験・実習の参加申込は、開催前日の13:00で締め切ります。それ以降は、当日会場にてお申し込みください。