第130回バイオセミナーは、東京大学先端科学技術研究センター・大学院数理科学研究科の井原茂男先生にご講演いただけることになりました。
井原先生は、計算物理、バイオインフォーマティクス、応用数学がご専門で、最近では蛋白質の新しい解析アプローチについて精力的に研究をされておられます。他大学の先生の研究内容を直接聞けるよい機会ですので、教員、大学院生はもちろん、学部学生も研究分野を問わず多数ご参加ください。
日 時 2016年7月12日（火） 13:00～14:30
会 場 命江館3Ｆ 中講義室①
演 者 井原 茂男先生（東京大学先端科学技術研究センター・大学院数理科学研究科特任教授）
演 題 転写の高時間分解時系列実験と数理解析：分子生物学の革新への期待
生命のダイナミクスをシステムとして研究する生命動態プロジェクトの一研究教育拠点である東京大学「生物医学と数学の融合拠点(Institute for Biology and Mathematics of Dynamic Cellular Processes:iBMath)」（http://www.ibmath.jp）では、分子生物学の実験研究と数理解析との融合を推進している。
主な３つの研究テーマ
（１）転写過程の高分解能時系列実験と数理モデリングとシミュレーション
（２）細胞の集団運動の実験とシミュレーション
（３）転写因子のタンパク質構造解析
のうち、今回は主に、転写のダイナミックスの機構解明を目的として行った時間分解能実験のこれまでのいくつかの結果とその数理モデリングの結
果についてお話し、今後の展望について述べてみたい。
・Wada Y, Ohta Y, Kodama T, Cook PR, Ihara S. et al, "A Wave of Nascent Transcription on Activated Human Genes", Proceedings of the National Academy of Sciences, (2009) Oct 27;106( 43) :18357-61.
・Papantonis A, Larkin JD, Wada Y, Ohta Y, Ihara S, Kodama T, Cook PR,"Active RNA Polymerases: Mobile or Immobile Molecular Machines?",
PLoS Biology, July (2010), Volume 8, Issue 7, e1000419.