長浜バイオ大学

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伊藤 正惠 教授

伊藤 正惠

いとう・まさえ / Masae Itoh

職位

教授、学長

学位

医学博士(神戸大学)

専門分野

微生物学(ウイルス学)

研究キーワード

ウイルス、感染、増殖、病原性、宿主指向性、遺伝子組み換え、ウイルス工学

所属

バイオデータサイエンス学科

略歴

  • 神戸大学大学院医学研究科博士課程修了
  • マールブルグ・フィリップス大学ウイルス研究所研究員、神戸大学医学部講師、大阪府立公衆衛生研究所主任研究員を歴任

研究課題・実績

研究課題

2019年12月に中華人民共和国武漢市で確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、世界中に拡散し、1億人以上が感染、200万人以上が死亡する世界的大流行(パンデミック)を引き起こしている(2021年3月現在)。これまでも、ウイルスによる感染症は大きな問題となってきた。2009年から2010年にかけて、新型インフルエンザウイルスがパンデミックを引き起こし、2014年西アフリカで発生したエボラウイルス病は、致死率が高く危機的な大流行となった。新型コロナウイルスの感染が続く中、日本各地では高病原性鳥インフルエンザウイルスのニワトリへの感染も頻発している。AIDS(後天性免疫不全症候群)、麻疹、C 型肝炎や家畜の口蹄疫も原因はウイルスである。ウイルスは宿主となるヒトなどの細胞に侵入し、その機能を借りて自己を増殖させる。新型コロナウイルスでは、ようやくワクチン接種が開始され、感染の収束が期待されているが、診断法やワクチン、抗ウイルス剤を開発し、ウイルス感染症を克服するためには、ウイルスの増殖機構を分子レベルで解明し理解することが不可欠である。

麻疹ウイルス増殖機構の解析

麻疹ウイルスの感染は、①粒子を形成して未感染細胞に吸着侵入する、②感染細胞が隣接する細胞と直接融合する、の2経路で拡大する。麻疹ウイルスがどちらの経路を優先するかは、ウイルスM蛋白が関わる子孫粒子の出芽能力とウイルスF蛋白により引き起こされる細胞膜融合能力の強さに左右されるが、その詳細な分子メカニズムは明らかではない。さらにこれらの過程には、レセプター結合能を持つウイルスH蛋白が必須である。粒子形成能と細胞融合能が様々に異なる変異株を比較するという手法で、これらのウイルス蛋白間、あるいは宿主細胞因子との相互作用を中心に解析を進めている。