長浜バイオ大学

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計算構造生物学研究室

【研究テーマ】ジスフィルド結合全欠損変異体Cryptdin-4を含む系のMDシミュレーション

依田 隆夫 准教授

計算機で見て、 解き明かす生命の謎

本研究室では、タンパク質などの生体分子が体内でどのように働き、相互作用しているのかを、コンピュータシミュレーションで可視化・解析しています。これは、物理学や化学の法則に基づき、原子一つひとつの動きを計算する"計算機実験"です。実験では、分子が動く様子を直接見ることは困難ですが、シミュレーションなら、例えば「水中で脂質が集まり細胞膜が形成される様子」や「抗菌ペプチドが膜に入り込む動き」など、目に見えないミクロな世界のダイナミックな動きを可視化できるのが醍醐味。計算は時に1週間以上続くこともあり、一般的なパソコンでは発熱で壊れてしまうほどの負荷がかかります。そのため、長時間のフルパワー稼働に耐えうる専用の計算機を、学生たちと自作することも。また、シミュレーション技術を習得するための勉強会も実施しており、学生同士が教え合いながらスキルを高めています。
研究や計算機の構築においては、うまくいかないことも多々あります。しかし、失敗の原因を追求して解決策を考えたり、プロジェクトに必要な知識を自ら新たに学び取ったりするプロセスこそが重要です。こうした経験は、技術者として社会に出た後、変化に対応し活躍するために不可欠な「自ら学び続ける力」となります。

所 知希さん 4年次(岐阜・県立岐山高等学校出身)

トライ&エラーの繰り返しの 中にある、研究のおもしろさ

研究職に憧れ、長浜バイオ大学に入学。大学の講義や実験を通じて、次第に「実験」そのものよりも、それを解析する「コンピュータ」への関心が強まりました。
現在取り組んでいるのは、分子動力学シミュレーションを用いて、マウス小腸由来の抗菌ペプチド「Crp4」の働きの解析。本来のCrp4と、特定のアミノ酸を置き換えた変異体では活性の仕組みが異なることが知られています。そこで、この二つの挙動をコンピュータ上で再現・比較することで、両者の活性メカニズムの違いを分子レベルで明らかにしようとしています。計算は1つのステップに丸2日以上かかることもあり、コンピュータのスペックの違いだけでエラーが起きるなど、一筋縄ではいきません。だからこそ、長い計算を終えて先生に「成功している」と確認してもらえた時の安心感は格別です。
また、解析に使う高性能な計算機を自作した経験も印象に残っています。排熱の仕組みなど、普段使う道具の裏側を理解できたことは大きな学びに。卒業後は電気設備の設計職に就きます。分野は変わりますが、この研究室で培ったコンピュータの知識と、うまくいかない時に原因を突き止めて粘り強くやり抜く姿勢を、社会でも活かしていきたいです。