君も学べる!最先端の研究

君も学べる!長浜バイオ大学が誇る最先端の研究。

人類の未来をひらく、最先端のバイオ研究に挑む教員たち。
この教員たちと一緒に、君も最先端の研究を学んでみませんか?

 

中村肇伸先生向井秀仁先生長谷川慎先生蔡晃植先生永井信夫先生白井剛先生

iPS細胞の質を高める研究で再生医療の躍進に貢献する

アニマルバイオサイエンス学科 中村肇伸先生

中村肇伸先生
卵子と精子が受精を行い、体のすべての細胞になりうる“全能性”を再獲得することを「リプログラミング(初期化)」といいます。そして今や、再生医療の進展に大きく関わるiPS細胞も、体細胞に特定の転写因子を導入し、リプログラミングを起こして作製されるものです。
しかし、自然生殖によるリプログラミングに比べて、人為的なiPS細胞のリプログラミングは、決して効率よく起こせるものではありません。そこで中村先生の研究室では、受精卵が全能性を再獲得する分子機構を解明し、より高品質なiPS細胞を効率よく量産する方法を開発しようとしています。
近年では共同研究で、卵細胞で活発に働くDppa3という遺伝子を用いて、従来のiPS細胞よりも良質の分化能(あらゆる細胞に分化できる能力)をもつiPS細胞の作製に成功しました。これまでは、iPS細胞の作製効率を高める研究が中心で、質を高める研究はほとんど未開拓の領域でした。これらをまとめた論文は英科学誌『Nature Communications』にも掲載され、今後の再生医療に変革をもたらすものとして大変期待されています。

新たな創薬の可能性を秘めた生理活性ペプチドの解明に挑む

バイオサイエンス学科 向井秀仁先生

向井秀仁先生
生命活動を維持するために、体の組織や細胞間で情報のやりとりを行う中心的存在が生理活性ペプチドです。例えば、血糖値を下げるインスリン、胃酸の分泌を促すガストリン、痛覚を伝達するサブスタンスPなど、“情報の運び屋”であるこれらのホルモンや神経伝達物質などが、医薬品やサプリメントの開発に大きく貢献するであろうと現在注目を集めています。
向井先生の研究室では、体内のタンパク質が代謝される過程で生じる断片ペプチドの中に、病気やケガに働く好中球を活性化する機能があることを発見し、これらの生理活性ペプチドを総称して「クリプタイド」と命名しています。さらに、異なる多くのクリプタイドが連携し、1つの細胞をコントロールしていることも明らかにしています。
将来、クリプタイドの生理機能や情報伝達機構が解明されれば、これまで治療が困難とされてきたリウマチ、心筋梗塞やアルツハイマー病などの病気に対抗しうる新薬の開発も夢ではないかもしれません。新たな創薬の可能性を示唆するペプチドの研究に、今後も期待が高まります。

化学をバイオに応用しながら産学連携で健やかな未来を築く

バイオサイエンス学科 長谷川慎先生

長谷川慎先生
分子レベルの視点で見てみれば、あらゆる命の営みは化学反応の集積です。言い換えるなら、化学のことばを使って生命現象を解き明かすことができるのです。このケミカルバイオロジーという科学分野の考え方をもとにして、新しい抗がん剤候補物質や病原体検出装置の研究開発に長谷川先生は日夜取り組んでいます。
がん細胞の表面にある特定のタンパク質(レセプター分子)をターゲットに、抗がん剤はその働きを調節するものです。先生は興味深い生理活性を持つ新規の抗がん剤候補物質のレセプター分子の機能を明らかにしたり、物質そのものをデザインすることで、新しい薬を創出しようとしています。
また、細胞やウイルスの表面に蛍光物質を吸着させて目印にしたり、特殊な薄膜でそれらをふるい分けることで、細胞や病原体の新しい分離検出技術の開発を進めています。これらの技術は医療や産業への応用が強く期待され、国の機関である科学技術振興機構の支援を受け、精密部品やバイオ機器を扱う企業との共同開発事業として実用化をめざしています。

環境問題や食糧不足を視野に
植物の免疫システムと環境認識機構を解明する

バイオサイエンス学科 蔡晃植先生

蔡晃植先生
自発的移動手段を持たない植物は環境変化に対応するために、自らが置かれている環境情報を素早く読み取り、その環境に適応する能力を獲得してきました。蔡先生の研究室では、植物がどのようにして病原菌を認識し、自らの身を守る免疫システムを誘導するのか、温度や湿度などの環境情報をどのようにして認識し細胞内に伝達しているのかを解明しようとしています。
これまでの研究で、イネは病原細菌の鞭毛タンパク質やEF-Tuとよばれる病原細菌の伸長因子を特異的に認識し、免疫システムを誘導することを世界で初めて明らかにしました。また、これら植物の免疫誘導システムが、ヒトを含めた哺乳類の自然免疫システムと類似点が多いことから、生命の自己防衛の原点に迫る研究が進められています。
近年では、植物の免疫と生育の両方を高めるタンパク質の研究や、過酷な凍結環境に耐えうる植物の研究、有用代謝産物を高蓄積する植物の研究など、近い将来深刻になるであろう、地球環境問題や食糧難の解決を視野に入れ、学生たちとともにたゆまぬ努力を続けています。

実験動物のいのちと向き合い深刻な脳の病に光明を見い出す

アニマルバイオサイエンス学科 永井信夫先生

永井信夫先生
「病態モデル」とは、発症原因の解明や治療法の探索のため、ヒトの病気を実験動物に再現したもののこと。永井先生はこの病態モデルマウスを利用して、死亡率が極めて高く、万一、一命を取り留めても深刻な後遺症が残りやすい脳梗塞を中心に、その原因や治療法の研究を行っています。
脳梗塞は、脳内の血管を血栓がふさぐことで発症する病気ですが、通常、血栓は「線溶因子」とよばれる一群のタンパク質に溶かされ、血流の滞りは防止されます。また、線溶因子は傷を負った皮膚や肝臓などの組織の再生に深く関与していることから、先生は線溶因子を創薬のターゲットに、脳梗塞後の神経機能の修復に関連があるのかどうかを解明しようとしています。
最近の研究では、線溶因子の一つであるtPAやプラスミノゲンの遺伝子が欠損したマウスでは脳梗塞後の感覚・運動機能の回復や脳の傷の修復が悪くなることを発見しました。先生は、病態モデルとなった動物たちの生命を尊びながら、人類に貢献する医薬品開発をめざしています。

タンパク質の謎を解き明かす生命情報科学の最前線をゆく

コンピュータバイオサイエンス学科 白井剛先生

白井剛先生
近年話題の「バイオインフォマティクス」とは、生命現象に関わる膨大なデータを、コンピュータを用いて解析する研究分野のこと。2003年にヒトゲノムの解読を完了し、“人間の設計図”を明らかにしたことも、バイオインフォマティクスがもたらした大きな功績の一つです。
情報構造生物学が専門の白井先生は、バイオインフォマティクスとX線結晶解析実験により、タンパク質の機能や構造を突きとめる手法を研究しています。タンパク質は生物の体内で、血液成分や抗体、酵素、コラーゲンなどとして重要な役割を担っていますが、立体的な構造を形成して初めて真価を発揮します。つまりタンパク質の形を見ればその役割が把握でき、病気の原因究明や医薬品の設計に大いに役立つのです。
そこで先生は、タンパク質の複雑な立体構造をパーソナルコンピュータで完全自動予測する「タンパク質立体構造2次データベース構築システム(SIRD)」を開発。文部科学省が推進する「創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業」の共同研究にも採択され、創薬の基礎研究の躍進に貢献しようとしています。
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