取得した教員の特許

開学10年で36件の特許を出願 ─ すでに特許を取得した本学教員の研究 ─

 

開学から10年余りの本学の研究活動は、基礎研究分野で大きな成果を得るとともに、研究成果を応用した特許の取得でも特筆すべき成果をあげています。

[1]ヘリコバクター・ピロリの空胞化毒素の検出試薬および検出方法

特許番号:第4677525号

長谷川 慎准教授(バイオサイエンス学科)

胃潰瘍や胃がんの原因菌ヘリコバクター・ピロリの分泌する毒素が、細胞表面や血液に存在するある種の複合糖脂質と結合することを長崎大学との共同研究により発見。その性質を利用した毒素の検出試薬および分析方法を開発しました。

[2]試料中のウイルスを検出する方法およびシステム

特許番号:第4757103号

長谷川 慎准教授、伊藤 正恵教授、水上 民夫教授(バイオサイエンス学科)

レーザー光を利用した顕微鏡のような特別な装置で蛍光標識抗体とインフルエンザウイルスの反応を観察すると、その反応量がリアルタイムにわかることを発見しました。この原理を利用したインフルエンザウイルス検出装置を試作しました。

[3]ウイルス除去剤

特許番号:第4955588号

伊藤 正恵教授(バイオサイエンス学科)

ウイルスの粒子は非常に小さく、これを除去するのは困難とされてきましたが、カルシウムを主成分とし多孔質の造礁珊瑚に着目、これを微粉末として表面積を大きくすると高いウイルス吸着効果を発揮し、ウイルスを捕獲して除去できることを見出しました。

[4]水耕栽培方法、水耕栽培用溶液及び水耕栽培システム

特許番号:第5281507号

蔡 晃植教授(バイオサイエンス学科)

完全閉鎖型の植物工場には、栽培に必要なエネルギー量が多いという問題があります。そこでフィラメントの代わりに外部から電圧をかけて発光させる、安価で長寿命なHEFL 照明の開発と、光の波長と養液をコントロールし高機能型野菜の栽培システムを開発しました。

[5]試料中の蛍光性物質を検出する方法およびシステム

特許番号:第5473202号

長谷川 慎准教授、伊藤 正恵教授、水上 民夫教授(バイオサイエンス学科)

[2]で開発したインフルエンザウイルス検出装置を改良しました。試料溶液に小さなポンプで流れを生じさせ、試料中のウイルスの粒子に動きを持たせることで、検出効率を高めるというものです。これにより新しいウイルス検出装置の開発が大きく前進しました。

[6]分子間の類似度を評価するための高速グラフマッチ検索装置及び方法

特許番号:第5484946号

白井 剛教授(コンピュータバイオサイエンス学科)

体の代謝物や薬などの分子の機能が違うのは、分子を構成する原子の種類とつながり方によります。この構造が似ているかどうかを計算で求めるのはとても難しい中で、原子が結合してできる点と線の図形を重ね合わせることで、類似度を比較する計算プログラムを開発しました。

特許取得教員のコメント

_S6Z2033●特許はサイエンスとビジネスを結び付ける大切なもの

 長谷川 慎准教授(バイオサイエンス学科)

さまざまな物質から特定の性質をもつものを選び出すことをスクリーニングとよびます。私たちは、医薬品候補あるいは毒素や有害成分に強く結合する物質をスクリーニングして、治療や診断への利用法を開発しています。実用化を考えると、見つけ出した物質の構造を単純化して、機能を発揮する最小限の部分を絞り込むことも重要です。

特許はサイエンスとビジネスを結びつける非常に大切なものです。しかし、一つの特許ですぐに商品化出来るものではなく、多くの研究の積み重ねの先にあるものです。また、特許は申請から登録されるまで5、6年かかるので、将来を見越して開発を進めることが必要です。さまざまなものを見つけ出し、今後も順次申請していく予定です。その中から、最も良いものを世の中に送り出していければと考えています。

 

_S6Z2408●創薬の基礎となる研究に貢献する計算システムを開発

 白井 剛教授(コンピュータバイオサイエンス学科)

なぜ分子が果たす機能や役割が違うかと言うと、構成する原子の種類と繋がり方が違うからです。そこで、二つの分子が似ているかどうかを素早く計算するプログラムとシステムを開発し、特許を取得しました。

グラフマッチという、原子同士の繋がり方を空間的に捉えることで、その違いを比較することができます。網羅的に比べてみると、薬になるものは天然物とどこが違うのかを、統計的に知る事ができます。これは、薬になる分子をデザインするために、どうすれば良いかという戦略に繋がると考えています。さらに応用として、創薬の基礎となる研究に貢献できると考えています。

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