教育・研究

気づきと発見で学びの楽しさを実感 ワークショップや立地環境を活かしたフィールドワーク

カスミサンショウウオが生息する里山、そして多くの固有種が生息する琵琶湖。自然豊かな立地環境を活かした実習、習得した技術がどう活かされるのかを考える発表型の実験など、本学ならではの特色ある授業の一部を紹介します。

コンピュータグラフィックス実習

3Dグラフィックや画像処理の技術を1年次からマスター

【コンピュータバイオサイエンス学科】(1年次前期)

こ の実習では、コンピュータでグラフィックを作成する技術を習得します。3DCG作成のフリーソフトを使って、バイオメディカル分野で必要となる、動物や植 物をコンピュータで描くスキルを身につけることから初めます。さらに、顕微鏡や実験器具などの人工物のCG制作へと進みます。これは、実験の手順を三次元 のアニメーションで説明するのに求められるスキルとなります。

これらのスキルを、たんぱく質の立体構造を、フリーの原子の座標データをもとに、グラフィック化する2年次の実習へとつなげていきます。

3DCGの作成実習は、他大学では3年次以降に学びますが、1年次で履修する所に本学の特徴があります。(担当:永田先生)

自然科学基礎実験

豊かな自然環境を活かし生きものに触れる野外実習も

【アニマルバイオサイエンス学科】(1年次前期)

本 学は豊かな自然に囲まれています。この環境を活かして、自然界における動物の営みを知る機会を実習に取り入れています。大学の北東に横たわる田村山には、 滋賀県レッドリストの希少種に指定されたカスミサンショウウオが生息しています。ここで産卵から幼生までの生態を、実習の一環として観察しています。カス ミサンショウウオは、生態がまだよくわかっていない生物で、これをバイオの視点で 観察し明らかにすることは、希少種だけに価値があります。実習ではさらに、滋賀県畜産技術振興センターを訪問し、羊や肉牛などの中型・大型の動物について も学びます。これらに加えて、1年次後期には、動物が飼育されている現場への見学を実施しています(これまでの訪問施設:名古屋市東山動物園、滋賀県立琵 琶湖博物館)。(担当:和田修先生、河内先生)

細胞科学応用実験I

実験結果を議論し、実験成果の質の向上をめざす「ディスカッションシート」

【バイオサイエンス学科、アニマルバイオサイエンス学科】(2年次前期)

本 実験では、実験後に取り組む課題を班でまとめる報告書のような「ディスカッションシート」を作成してもらいます。蛍光顕微鏡による細胞の写真やスケッチな ど、実験結果から得られた特徴や気づいたことなどを、まず、各人が付箋に思い思いに書きだし、教員が用意する「ディスカッションシート」に貼り込んでいき ます。続いて、その内容に基づいて4人1組の班単位でディスカッションを行いながら、実験結果をまとめ、課題をクリアしていきます。2班に1人のティーチ ングスタッフが付箋への書き出しからディスカッションまでをきめ細かくサポートします。

こうしたファシリテーションを通じたチーム活動で、実験成果の質を上げていくとともに、相互理解を深めるためのコミュニケーション力や問題解決力、さらにチームワーク力を磨いていきます。(担当:奈良先生、高畑先生)

環境科学専門実験I

採取した植物の種を遺伝子解析で同定し成果を発表

【バイオサイエンス学科】(3年次前期)

そ れぞれの学生が採取してきた植物の学名を様々な手法を用いて同定します。「形態の観察」、最新技術の「遺伝子配列の解析」、そして世界中のデータベースか ら類似配列を得る「コンピュータバイオ」という手法を用いて得られたデータを統合し、一つの植物の学名を同定していきます。

教員とTA 約10 人によるきめ細かいサポートを受け実験を進め、最終日には全員が実験結果をプレゼンテーションし、学生同士で質疑応答を行います。この実験の特徴は、各自 が採取してきた異なる植物を用いて実験するため、異なる結果が得られることです。実習では自分の実験結果と解析結果だけを用いてそれぞれの解答を導き出し てもらいます。この実習によって、得られた結果の意味を自分の頭で考え、論理的に結論を導き出す能力が養われることになります。(担当:蔡、向、池内先 生)

環境微生物学

大学内の生ゴミをコンポストする「Nプロジェクト」

【バイオサイエンス学科、コンピュータバイオサイエンス学科】(3年次前期)

環 境微生物学の体験学習プログラム「Nプロジェクト」が、今年度で7年目を迎えました。講義では微生物の力を使って人間が汚した環境を浄化する方法を学びま すが、プロジェクトでは大学食堂の生ゴミをコンポスト化し、それを使った有機栽培で農作物を育て収穫することを体験します。

栽培する農作物は学生の話し合いで決め、毎年いろいろな作物を栽培しています。トマトとナスは毎年の定番で、サツマイモも収穫しました。毎年夏期休暇の期間中に枯らしてしまったトウモロコシの収穫にも昨年は成功しました。

2008年度には生ごみ処理機を設置、プロジェクトの目標であった、「大学から出る生ごみゼロ」を実現することができました。(担当:向先生)

バイオマテリアル産業論

民間企業時代の経験活かした実学的なバイオ産業論

【3学科共通】(3年次後期)

講 義で対象にするバイオマテリアルとは、遺伝子と遺伝子が作り出すたんぱく質、及びこれらから構築される動植物の細胞と細胞から構成される個体を含む幅広い ものです。それらを産業的に利用する企業がどう生み出され、成立していくかを明らかにするのが講義の主眼です。この意味で、本学ならではのオリジナルでユ ニークな内容です。

バイオマテリアル産業の過去・現在・未来を俯瞰することが重点目標ですが、最近のバイオ産業の動向、バイオベンチャーの創業経営、知的財産権 に関わる新たな発見や創造、それを保護するための特許、さらにバイオベンチャー創出のための課題、そのための公的な支援体制などの幅広い事例紹介し、バイ オ産業への理解を重層的に深めることを狙っています。(担当:西先生)

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