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第153回バイオセミナーのご案内

第153回バイオセミナーは、近畿大学高度先端総合医療センター・講師で、幹細胞生物学、再生医療、生殖生物学がご専門の寺村岳士先生にご講演いただきます。

先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2018年6月19日(火)13時30分~15時00分

会 場 命北館4F 中講義室5

演 者 寺村 岳士先生(近畿大学高度先端総合医療センター・講師)

演 題 「多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)からの間葉系幹細胞の分化誘導と応用」

要 旨

間葉系幹細胞(MSC)は骨髄、脂肪、筋肉組織などに存在する組織幹細胞である。骨、軟骨、脂肪細胞等への多分化能に加え、免疫調節機能、優れたサイトカイン合成能をもつことから、現在の再生医療の中心的な細胞材料となっている。

 実際の再生医療においては、体外で培養した患者骨髄由来の自己細胞が使用されている。しかし、MSCが移植必要量に達しない場合、効果が不十分になる、あるいは移植そのものが中止になるというリスクがある。また、ドナーの加齢や体外培養により幹細胞の品質が劣化するということが明らかになってきた。これを解決するため、我々は多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)からMSCを分化誘導する研究に取り組んできた。

本セミナーでは、多能性幹細胞からのMSCの分化誘導法についての新しい知見と、今後の展望についてお話ししたい。